
電気ケトル内にカビのような汚れが出来てて、こすっても取れない…!落とすにはクエン酸が有効!
だけど、家にクエン酸なんてないよ。買いに行かないと…というときに、家にあるもので済ませる方法は?
一般的な調味料「酢」が使えます。
電気ケトルの内部はほとんどがステンレスで、ケトル内にできる汚れの正体は「水垢」です。水垢は、ガチガチの石のように固まったアルカリ性の汚れ。トイレの黄ばみもアルカリ汚れなので、アルカリを中和する「酸」を使うとよく落ちるんですね。
ステンレスの汚れは酸で良いのですが、高級な鉄のヤカンにはクエン酸はNGなので覚えておきましょう。
アルカリ性の汚れには、中性洗剤ではダメで、酸性の「クエン酸」で、アルカリ性の石の結合を弱めて落とすのが有効なんです。(ちなみに、中性洗剤は、油汚れを界面活性剤の親和性の分子で結合を弱めてはがしやすくする、という原理で汚れを落とします)
なお、家に掃除用のクエン酸がない…という場合は酢で代用できます。酢に含まれる酢酸は、クエン酸よりは弱いけどアルカリ汚れに有効なんですね。
お酢でケトルを掃除する方法は、以下のとおりです。
酢酸は、沸騰させて大丈夫なの?
酢酸は熱に強いのでOK。水の沸騰温度は100度ですが、酢酸の沸騰温度は118度です。最強の熱湯でも気化しません。
ただし、酢はニオイが残るので、気にならなくなるまで「水ですすぐ」必要があります。
水を入れ替えて「沸かし直す」よりも、何度もすすぐ方がニオイを取るのに有効です。
酢で汚れが落ちなかった…どうして?
酢で汚れが落ちない場合は、「酢の量を増やす」のが単純ですが有効。
酢の量は、0.8リットルに酢大さじ2杯で汚れが落ちた!というレポートがあります。
電気ケトル内が黒ずんでいる場合、パッと見ると「うわカビだ…」と思うかも知れませんが、正体は水垢です。
金属にカビが映えることはありません。
なので、「カビを落とすやり方」では汚れは落ちないんですね。
ちなみに、金属の表面に傷が入りまくってて、傷に汚れがつきまくっている場合は、「汚れにカビが生える」ことはあります。
ケトル内に白いザラザラや青いボコボコしたものが出来ている場合、それは「錆(サビ)」です。
サビ自体を摂取するのはNGですが、サビの出ているヤカンでお湯を沸かして飲んでも人体に影響はありません。
ただ、見た目はとても汚いので、「何か体に悪いんじゃないか」と思い詰めてしまう人は、ヤカンを買い替えた方が精神衛生上、良いかも知れませんね。
で、サビを取る方法は「酸性洗剤を使う」と良いです。
金属のサビは金属が「酸化」したもので、酸性洗剤によって、金属から酸素を切り離す「還元」という作用で汚れを落とすんです。
結果として、ケトルについて汚れが水垢でもサビでも酸性洗剤使っておけばOK!ということになります。
また、クエン酸ではなくて酢を使うメリットとして、常温でも揮発しやすいためフローリングの掃除などに使うと床にダメージを与えないという点があります。ただ、ニオイがね。
クエン酸は、掃除に使う酸の中では強力で、同じ量なら酢の2倍の強さの酸性を持ちます。
なので、酢で取れない汚れはクエン酸を使うほうが落ちやすいです。
注意点は、南部鉄器など、鉄でできたヤカン(鉄瓶)にはクエン酸はNGってことです。
ちなみに、鉄瓶のサビ対策は、茶がらをだしパックの袋に入れて煮出し、サビとお茶のタンニンを結合させて、タンニン鉄としてヤカン内部に再結合させるのだそうです。謎の手入れ方法ですね。めっちゃ手間かかるな、南部鉄器…。
鉄以外の、ステンレスやホーロー、アルミのヤカンはクエン酸での掃除でOK。
クエン酸を使っても汚れが落ちない理由は…?
放置しすぎたため、水垢がめちゃめちゃ固く、強力になっていることが考えられます。
対処方法は、2つ。
クエン酸を濃くすれば、酸の強度も上がるので汚れが落ちやすくなります。それでもだめな場合は力技。ちょっとでもクエン酸で汚れの結合力を弱めたら、メラニンスポンジでゴシゴシこするんですね。
メラニンスポンジは、金属を削り取るものですが、目が細かいので傷の凸凹ができにくいという特徴があります。ケトルの場合はあまり心配いりませんが、メッキした金属だとメッキ層が削れてしまうので、メラニンスポンジはNGです。